外壁塗装をお考えの方の中には、どのくらいの期間がかかるのか知りたいという方もいるでしょう。実際に養生をかけてから何日も工事が続くため、工事期間は知っておくべきです。
今回は、一般的な戸建て住宅の外壁を例に、工事期間と段取り、ご近所への配慮などをご紹介します。
1.工事期間は平均10日〜14日間
3〜4LDK程度の一般的な戸建て住宅の場合、外壁塗装工事は屋根の塗装も含めて平均10日〜14日間程かかります。この日数は天候に恵まれ、工務店やご近所ともトラブルなく作業が進められた場合で、実際は天候が原因で2週間程かかることもあります。
また、何らかの問題が起きればさらに工事日数は延びていきます。では工事がどのように進められるか工程を見てみましょう。
下記は天候に左右されることなくスムーズに工事が進んだ場合の例です。
1-1.作業工程と必要日数
- 1日目・・・ご近所に挨拶、塗料や道具の準備
- 2日目・・・足場の設置
- 3日目・・・高圧洗浄で汚れを落とす
- 4日目・・ コーキング等の下地処理
- 5日目・・・養生設置
- 6日目・・・下塗り
- 7日目・・・中塗り
- 8日目・・・上塗り
- 9日目・・・点検・手直し
- 10日目・・・足場解体、撤収
1-2.工程表を見ながら説明をしてもらう
工務店や塗装店に工事を依頼すると見積もりが出ますが、工事の段取りは素人には分かりにくいこともあるので、工程表をもらって実際にどのような作業をいつ行うのか進め方の説明を受けておきましょう。
たとえば塗装は塗料を1回塗ったら終わりというものではなく、下塗り、中塗り、上塗りというように何度か塗り重ねます。塗るタイミングもその日の天候によって調整するため、多少スケジュールが変わることもあります。事前に説明を受けておくと安心でしょう。
もしどうしても早く工事を終わらせたい事情がある場合は、職人の人数を増やせないか交渉してみるのもひとつの方法です。
ただし作業の段取りもあるので、闇雲に人数を増やしたからといって工事が早く終わるとは言い切れません。また繁忙期には職人を集めることが困難な場合もあるので工務店側とよく相談してみましょう。
1-3.雨が降ったら作業は中止
雨が降ったらたとえ小雨であっても作業はできません。とくに下塗りの段階では雨の中で作業をすると、そのあとの中塗りや上塗りが付着しづらくなって塗料が剥げてしまうからです。また雨が降らなくても湿度が85%以上ある日は塗膜が白く濁ってしまいきれいな塗装にならないだけでなく、ひび割れの原因にもなりかねません。
もし作業の途中で雨が降ってきた場合も塗り直しになります。天候で左右される作業なのでその分余裕を持ったスケジュールを組んであるわけですから、潔く作業を中止するのが正しい職人の仕事です。
1-4.強風の場合
では強い風が吹く日はどうでしょう。答えは強風の日も作業はNGです。まず足場が不安定できちんと塗れないことに加え、塗りたての外壁に木の葉やゴミ、砂など飛散物が付着してしまう恐れがあるからです。また塗料が近隣の建物や車に飛び散ってしまうことも考えられます。
そのような物的被害だけでなく、まず作業員の安全が大切なのでもし作業を続けているようならやめてもらいましょう。
1-5.出来るだけ塗装工事に都合の良い季節を選ぶ
工事をするなら出来るだけ自然条件に左右されない季節を選ぶ方が、工事が長引いたり仕上がりが悪くなる可能性が低くなります。具体的にいうと春なら4月から5月にかけて、秋なら10月前後が理想の工事時期でしょう。
すぐに工事をしなければならないほどの実害が出てから、慌てて工事に不向きな季節にせざるを得なくならないように、日頃から外壁の状態に注意をして余裕を持って工事をするようにしましょう。またオンシーズンは予約で込み合うため、工務店や塗装店には早めに相談することをおすすめします。
2.塗装工事がほぼ予定通りの日程で終わるための注意点
たまたま雨が続くなど天候の都合で、作業終了が数日延びてしまうことは止む終えないことでしょう。そのような自然条件が原因であれば、当然見積りより日当などの追加料金が発生することはありません。しかし、施主側の確認ミスや不注意で工事期間が延びることもあるので注意しましょう。
2-1.日中に塗装の仕上がりをきちんと見ておく
塗装は人の手で行うものなので、少々は塗りムラというものが発生する場合もあります。しかし工事が完了してから気づいたのでは、足場もなくなり同じ色の塗料もなく、今更工事のやり直しは難しいと言われ途方に暮れることになりかねません。
塗装作業が始まったら工事の途中でこまめに状態を確認しましょう。確認する時間は必ず日中の明るい時間にします。足場があるのであまり遠くから見ることはできませんが、近くからだけでなく出来るだけ広い範囲でも確認することで、どの程度気になるか冷静に判断することが可能です。
塗りムラが見つかって気になるようなら遠慮なく報告し対処してもらいます。足場がある状態の時ならすぐできますが、工事が終了し足場を撤去してからでは、その手配や組み立てから始めなければならないので余計な時間がかかってしまいます。
2-2.作業がしやすい環境を整えておく
外壁工事は足場の組み立てが必須です。組み立て時も組み立てた後も周囲に余計なものが置いてあると作業の妨げになり、工事が進まないだけでなく破損や事故の元になります。これまで庭や玄関周辺に置いてあった植木鉢や生活道具は片付けて、現場をスッキリさせてから工事に入ってもらいましょう。
3.まとめ
工事期間中は窓が開けられなかったり洗濯物が干せなかったりと不便なことも多いことでしょう。そのためにも予定通りに工事が進み納得のいく仕上がりになるよう、施主側も塗装についての最低限の知識を身につけ、分からないことは積極的に質問し確認することが大切です。業者任せにせず、リサーチと準備と確認で理想の外壁を手に入れましょう。